土曜日。
座敷に通されて客人を待っていると、隣の座敷からふすま越しに聞こえる声に聞き覚えが…。まさかと思いつつ聞き耳を立ててみると、たまに聞こえる笑い声がどうやら知人っぽい。係りの女中さんに隣の座敷の客は東京のからの人かと聞いてみると、そこはやっぱり客のプライバシーを守るのがお店の筋だから教えてくれない。その声の主に電話をするも留守電なので確認することもできず、ふすまをちょっと開けて隣を盗み見しようと思ったがそれはあまりに失礼なので思い留まる。そこでトイレに行く振りして廊下に出たら、ちょうど配膳をするところで隣の部屋が空いていた。
「あれ! 西くんなにやってるの?」
「二郎さんこそなにやってるのよ!?」
いや、驚いた。東京の友人たちが京都のすき焼屋の隣の座敷で食事していた。奇遇ってのはあるもんだ。
京都公演終わりのラーメンズの片桐さんと作家のイケジリさんと合流して食事。
その後に学校までの送迎バスで一緒だった生徒たちが合流して呑む。
なんだか無茶苦茶な夜だったが大いに笑った。
日曜日。
ホテルをチェックアウト。
昼食は恒例の第一旭でラーメン。
京都散策しながら一保堂へ。
長官先生にはあちらこちらと京都を案内してもらってるがここが最強。伝統と今っぽさの混ざり具合とアレンジが見事。
お茶を頼むと、お茶の煎れ方を伝授された後に自分でお茶を煎れるんですが、急須で蒸らすのは18秒〜20秒とのこと。2秒のこだわりが凄い。
お茶ってこんなに香り高かったと感動。
あまりに旨かったのでお茶をお土産に買うが、それを包装してもらっている間に頂いた玉露の水出し茶が驚愕の旨さ。ヤバい。
旨いっていうか、もはやお茶ではない。香りを越えちゃって、スープみたいな、なんとも言えない味がある。
迷わずに玉露も追加購入。夏になったらこの玉露の水出し冷茶でお茶漬け作ってみたい。
京都御所の横を歩く。
このあたりがまたいい。雨の京都ってのもいいもんだ。
ラーメンズの京都公演千秋楽の会場に到着。
映像よりもライブがいいのは当然ですが、それにしても練り込みがスゴい。
当然のこと面白いんだけど、面白いというよりはちょっと怖い。シュールとかそんなことじゃなくて、完全に作り上げられた世界にトリップした浮遊感がある。
楽屋に挨拶に行くと、片桐さんから「ぼくら3日連続で会ってますよね」と言われるが、確かに今回の京都旅行中はラーメンとラーメンズ。オンとオフの両方の時間を共有させてもらったので、さらにトリップ感が強いのかも知れない。
小林さんとも挨拶させてもらうが、余韻が強過ぎて巧く感想を伝えることができなかった。参った。
公演終了後に、にしんそばの元祖の店「松葉」でにしんそばを頂く。
にしんそばってのは、にしんの上にそばが3本かけてあるのが流儀だと思っていたんですが、元祖の店がそんなことしてないってのが面白い。
旨いんだろうが、まだラーメンズの余韻が抜けなくて味がよく分からなかった。
700系で東京に戻った。