エイリアンって、エイリアンが主役だから、人間の役者さんのキャスティングが絶妙。
余りキャラが立ってない地味目な人が多くて、リプリーとビショップ(アンドロイド)くらいしか覚えてないんですが、前作の「プロメテウス」からデイビッド(アンドロイド)が加わって、そのデイビッドがウォルターで…。
以下、ネタバレあり。
シリーズ通して描かれたのは、人間とアンドロイドと人間起源である白人(白い巨人)と、白人が生み出した最終大量破壊兵器としてのエイリアンを軸とした人の業と人の愛でした。
エイリアンの生みの親であるリドリー・スコット監督に(エイリアンという映画が)戻ってきたのはいいんだけど、格調高く撮ることを優先しすぎて、交渉不能な敵に対する絶望的な恐怖感が薄まってた。
映像美優先作品。
彩度低い絵が続いて、鮮明なのは赤い人間の血と白いアンドロイドの血のみ。
全編が陰鬱な閉塞感に満ちているんですが、H・Rギーガーの狂気がなくなったので振れ幅が減った。
デイヴィッドが長髪で笛吹いたのにはひっくり返りそうになった。
アンドロイドが創造をすることで人間に近づいてるんですが、世捨て人のヒッピーになった様にしかみえないのがなんとも…。
そう言えばデイヴィッドって赤い血が流れてなかった?
アンドイドが人間化したの?
現場の人間はみんな頑張るんだけど、結果、どうにもならんという救いのない感じになってるので、観終わったあとに嫌な感じしか残らないのは秀逸。
これで希望や未来あるハッピー・エンドになってもねー。
「ブレードランナー2049」の公開も差し迫って来ましたが、あっちはもっと突き抜けてて欲しいな。