最近久しく聞かなくなった言葉に「オフィスのOA化」とか「テクノストレス」がある。
OAってのは、多分、オフィスオートメーションのこと。(違ってたらすいません。ググれば数秒で分かるけど調べる気にもならん)
要するに職場にコピーやファックスやパソコンを導入するってこと、だと思う。
コピーやファックスがない時代には、無理矢理電話で用件を済ますか、いちいち先方へ足を運んだわけだ。
それ以前の電話もない時代には手紙…。
「画面に触れると波紋が広がって、その波紋に乗って黄色いヒヨコみたいな生物が移動して、丸っこい生物みたいなオブジェに邪魔されるから、それをよけながらゴールを目指す。ゴールってのはクルクル渦巻きみたいな銀河風のデザインで、そこに到達するとファンファーレっぽいジングルが鳴ってステージクリア」
みたいな曖昧模糊としたアイデアなんかを考え、人に伝え、共同作業でイメージしたモノを作り上げることが仕事なので、OA化ってのは非常に便利。
だってサンプルの画像やサウンドをメールに添付して送れば相手が何人だろうと関係なく、地球上のどこにいる人にも瞬時に届くのだから。
そうじゃなきゃ、手書きで紙資料を作って、コピーがなければそれをガリ版印刷か何かで複製して、さらにサンプルのサウンドは自分で楽器を奏でてテープに録音したりして、アメリカやイギリスに船便か何かで郵送するか、ヘタしたら先方へ持参するしかない。
船便なんて往復で1ヶ月くらいかかるかも知れないので、その間には次のアイデア思いついたりして相手のレスポンスが返って来るまでには温度が変わるでしょうし、温度が変わればぼくが変わるし、ぼくが変われば世界が変わる。(変わるというか、船便送ったときとは世界が違って見えているはず)
ほんの10年ちょっと前にメールが一般的になった。
その頃には名刺にメルアド入ってる人もまばらで、相手の名刺にメルアドが入ってると
「おっ! メールやってんですね!!」
「そうなんですよ。OA化って言うんですかね? 最近はじめたんです」
「だったら今度メールしてみますね」
「おっ! 西さんもメールを?」
「はい。たしなむ程度ですけど…」
「それはそれは。ではメールをよろしくお願いします」
なんてやり取りをしてた。(気がする)
それで
「先日約束した通り、ちゃんとメールしてみましたよ!」
なんて、意味のないメール送ってみるも、相手から返事は来ない。
数日くらい返信ないのは当たり前の時代だったので、1週間くらい待ってから
「メール送ったんですが、ちゃんと届いてますか?」
みたいなメールをまた送ってみたりして。
すると相手から
「とどいてますお」
みたいな、ギャグなんだか単に間違ってるんだか分からない微妙なニュアンス、しかもたった1行、さらに全文平仮名のメールが返って来たりで、それきり音信不通…。
それが今じゃ、メールはその日レスが当然で、仕事でもないのにみんながブログやって、そのブログに信じられない様な高画質の写真を貼ったり、動画アップしたり、ポッドキャストやったり、10年くらい前なら8000円くらいしたクオリティーのゲームをフラッシュで作ったりしてるんだから、確実に時代は変わりました。
だいたいぼくが最初に買ったハードディスクは20MBで20万くらいだった。
20MBですよ、20MB!!
それが今じゃ2GB(20MBの10倍で200MBで、200MBの10倍でだいたい2GBだから100倍ですね)のフラッシュメモリーが数百円。
ヘタするとTBで2万円くらいでしょ。
弁当箱サイズで20MBで20万だったのが、切手サイズで2GBで500円。
大きさも、容量も、スピードも、安定性も、値段も、消費電力も、資材コストも桁違いになってるんだからスゴい。
…で時代も変わり、テクノロジーの恩恵を受けまくりの便利極まりない世の中にになりましたが、効率とスピードに追われてあくせくする様になった。
便利なはずのパソコンにWINがちゃんとインストールされずに1日消える。
そこに残るのはテクノストレス。(死語)
写真はテクノストレスにヤラれて専用ベッドでヘタる犬。(うそ)
実はOA化の波に乗り遅れた窓際犬。しかしテクノストレスとは無縁。