月曜日。
仕事が終わってからスポーツジムへ。
20時過ぎのプールは空いていて、60代と思しきおば様たちがジャグジーでお喋りしていた。
「よかったわねー」
「ほんと、あと7年、頑張って生きないとねー」
「また東京でオリンピック見られるなんて、わくわくしちゃうわねー」
オリンピックが生きる希望になる人もいるのだから、悪い側面だけじゃないんだと思い知る。
プールでひと泳ぎしてからサウナへ。
サウナ内のテレビは夜のニュース。
ほとんどがオリンピック招致決定に沸く云々というもの。
日経平均が300円上昇。
個人投資家の街頭インタビュー。
「このまま、7年景気が右肩上がりだといいですよね」
選手村や競技場の建設でゼネコンの株が上がっているらしい。
他に警備会社。
次にスーパーではオリンピック特需を狙って、東京名産を販売するコーナーを設けたら、売上が3割増とのこと。
「東京目黒区のスーパーでは…」
というアナウンサーの声につれられて画面をみると、ジムの目と鼻の先にあるダイエー碑文谷店が映し出され、人形焼きだの、なんだのが売られている。
そこで買い物する男性にインタビュー。
「景気がよくなるといいですよね」
次に主婦だと思われる女性にインタビュー。
「財布の紐も緩みますよね…」
次に泉麻人さんが出てきて、前回の東京オリンピックでなにが変わったのか解説。
原宿駅前の代々木体育館が映し出され、米軍将校たちの宿舎だった土地が代々木公園になったということを話していた。
原宿駅から代々木公園側の景色は、東京オリンピックででき上がった景色だそうだ。
前回はバラックなどを壊して道路を整備してということがメイン。
今回はウォーターフロントの埋め立て地の更地に選手村や競技場を造るので、壊してから作る前のオリンピックとは真逆とのこと。
しかし液状化や津波に弱いエリアなので、どうやって選手たちの安全を担保するのか、ここから7年でその課題に取り組む必要があると言っていた。
サウナを出て水風呂につかっていると、サウナから出てきたおじいさん2人がお喋り。
「東京決まってよかったよなー」
「ほんとだよ。なんかでっかいの作るんだろ?」
「そうだよ。楽しみだよなー」
「競技場作るお金で被災地支援すべきじゃないの?」
などと考えるのはひねくれ者なのかも知れない。
「世界に向かって『The Situation Is Under Control』なんて、大嘘ついちゃっていいわけ?」
というのは忘れた方がいいのかも。
「福島が安全かどうかは別にして、東京は安全だ」
ということで納得すべき?
オリンピック景気で、復興予算も増えるのかも。
世界の目が日本に向けられれば、福島の危機的な状況も世界に伝わるかも。(東京だけに目を向けさせるのだろうけど)
もやもやした感じが続くけれど、これをチャンスにして、色々なことが好転することに期待するしかないかな。
被災地の仮設住宅で暮らしている人や、警戒区域で戻れない人や、警戒区域に残された動物たちの気持ちを考えると浮かれられないけれど…。
色々な考え方や感じ方があると思いますが、友人がFBにアップしていた記事(こちら)の感覚がしっくりきた。
そっか…。東京は福島を捨てたんだ。