この数年、訪問するチャンスを待っていた青島食堂。
秋葉原で打ち合わせがあり念願が叶った。
うわさ通りシャッターが降りたままのお店は、人が並んでいなかったら遠目からは定休日にしか見えないので注意。
飲食系は暖色を使った看板が多いが、寒色系の看板が異彩を放つ。(店名が「青島」なのだから青いのは納得)
生姜醤油ラーメンの青島ラーメンを提供する青島食堂という意味で合ってるのかな?
いまいち意味がよく分からないところも魅力。
「40代以上の人には間違いなく刺さるラーメンですよ」
とRくんに言われていたが、ほんとにその通り。
完全にノス系(ノスタルジックで懐かしい系)で、何ひとつとして奇を衒わない完全無二のオーソドックスさ。
しかしオーソドックスさに特化し、削ぎ落としながらも完成度を高めているので、スープを一口味わった時点で
「あー。これ知ってる。好きなやつだ」
という安心感と郷愁を覚える。
子供の頃によくあった味なのに、いまではなかなか出会えない貴重な味になってしまったのが寂しい。
「はい、お待ちの◦番目の方」
と言われたら、店内の椅子に座って着席待ちしているときに、購入した食券を厨房にいる店員さんに掲げ見せるシステム。
すると
「大焼豚」
と、大将らしき厨房スタッフが復唱し、次に
「大焼豚」
と、麺茹での女将さんらしき厨房スタッフが復唱し、次に
「大焼豚」
と、若手のスタッフが復唱する。
店員さん3名で
「大、メンマ」
「大、メンマ」
「大。メンマ」
「次に焼豚ほうれん草」
「焼豚ほうれん草」
「焼豚ほうれん草」
という感じで全員がオーダーを復唱。
このときの抑揚が伝統芸能っぽい安定感と艶っぽさがあって楽しい。
この味を嫌う人がいたら会ってみたい。
ご馳走さまでした。