炊飯器を開けたらご飯が赤い。
一瞬「赤飯でも炊いたのか!?」と思ったんですが、周囲を見渡しても、過去と未来を見渡しても、めでたいことなぞ皆無。どっちかといえばピンチな状況なので「ピンチが極まってチャンス到来なのか!?」と本末転倒なことに思いを馳せれば、なんだ、実はたかきびご飯。
でも、たかきびってなに?
桃太郎が持ってるきびだんごのきびのこと?
さとうきびのきび?
パッケージにある尾田川農園とか、もろこし、コウリャンってなんなのさ?
…と思って「たかきび」でググると「もろこし」が検索に引っ掛かったりして意味不明。
「ついにGoogleもバグッたか!?」と思ったんですが、人を疑う前に自分を疑えという定石通りにぼくが無知なだけ(^^;
精白された米ばかり食べてちゃダメですね。恥ずかしいことに40の不惑になっても穀物に関して知らないことばかりだ。
ちなみに、たかきびはとても美味しい。
餅米みたいにもちもちした食感が、玄米のぼそぼそ感をコーティングしてくれる。
それに小豆っぽい風味もいい。
ただ昨日のとんぶりと同様に、日本むかし話に出てくる貧乏なお百姓さんが、雪に囲まれた寒い冬に、囲炉裏で暖を取りながら婆さんと2人で食べてるみたいな貧乏くさいイメージがある。誤解を恐れずにいえば、そればぼくの中の雪国であり、東北地方のイメージだ。貧乏というよりは清貧。
とはいえ実際には近所で普通に売っている精白された白米より、たかきびは高価。しかも手に入れにくい。それを思えば東京でマクドナルドのハンバーガー食べてるより、東京でたかきびご飯を食べている方が優雅で豪華な気がする。しかしもっと本質的に優雅で豪華なのは、東北の現地で普通にたかきびご飯を食べている農家の人だという気もする。
しかし、だ。
ただれた都市生活を送って来たぼくとしては、肉の脂とマヨネーズたっぷりでさらに化学調味料たっぷりのビックマック食べたい。それを砂糖たっぷり+炭酸シュワシュワのコーラで飲み干したい。
…という根源的な欲求(内なる声)を思うと、マックなどのファーストフードって、人の欲求を満たすためにどんだけ計算され尽くしているのかがよく分かる。
今日も今日とて一汁一菜。
ご飯は有機玄米とたかきび。おかずはきんぴらごぼう。お味噌汁はもやし。
動物性淡白質や、精白されたものが皆無なので完全なマクロビオテック仕様。
一汁一菜があと10日も続くと「こんな貧乏くさいもんばかり食ってられるか!!」と、星一徹ばりにちゃぶ台でもひっくり返したくなる気もしますが、そこを過ぎれば肉食&化学調味料で荒れた心と身体が穏やかになって、一汁一菜を頂く前にお経でも唱えてるのかも知れない。
時代や、国籍や、家族構成や、貧富や、寒暖の環境が人を作る。なので人は環境で変わる。
環境ってのは自分以外の全てのことであり、自分の中に入ってくる食べ物と水と空気が及ぼす作用は果てしなく大きい。
マクロビオテック仕様の一汁一菜が、ぼくをどう変えてくれるか楽しみだ。
…とか思いながらの食後の一服が実にうまい。
そのうち健康体になったら、煙草が嫌いになったりしたら嫌だな。
好きなものは好きなまま、嫌いなものが好きになるってのがいい。
享楽的なんです。