京都といえば神社に仏閣の古都ですよね?
「それだけじゃない!」という意見もあると思いますが、一般的にはそういう売り出し方というか打ち出し方をしている。
神社・仏閣を全面に押し出すということはそこを際立たせるということになるので、コンビニやファーストフードのお店の看板の色の彩度が低い。ドギツイ発色の看板などが街に溢れたら神社・仏閣が沈んでしまうので、マクドナルドの看板は赤系というより茶系のロゴだし、吉野家の牛丼の看板もオレンジ色の彩度が抑えられている。
これは京都の景観を守るための条例に拠るらしい。
そういう背景があってのことなのか、京都ってどうしても東京に比べて地味な色味というか全体的に彩度が低い印象があるんです。
…と、そんなことを考えながら四条駅を歩いていると、最近できたKotochikaにAoyama Flower Marketがあって、その一画は東京と同じに華やいでいた。
なんとなく直感的に「あっ、東京の色だ」と思ったんです。
それも当然で、条例で花の色を変えることはできないから京都の花も東京の花も同じ色。
もしかしたら、東京よりも渋い色味の花の方が京都では売れるなどご当地による嗜好の差があって品揃えが違ってるのかも知れませんが、それにしても花屋の前を通り過ぎるときには東京と同じ雰囲気を感じた。
それで電車に乗ってみると、社内吊りやホームの看板など、やっぱりどれもこれも東京よりも彩度が低いことに気付く。
街全体の彩度が低いので、洋服にしても影響されて彩度低めのファッションが多い気がする。
渋谷みたいにショッキングピンクや、情熱的な赤みたいな色は少なくて、若い女の子でもピンクだったら桜色で、赤だったらワインレッドというか…。
アフリカや南米の強烈な陽射しの下では、服も街の景観も力強い原色っぽい色使いが多くなる。
あの陽射しの下で渋い中間色なんて眠い印象になるのだと思う。
東京と京都でそれほどの陽射しの差はないと思うんですが、それにしても色使いまで違うんだからさすが古都・京都。
京都の人が東京に来ると、ぼくが京都に行って「彩度低いなー」という印象とは逆に「ケバいなー」とか「品がないなー」と思うんでしょうね。
Kotochikaって最新の駅地下施設なのに、そこのwebの色使いがこれまた京都っぽいわけです。東京だったらこの赤じゃないし、緑や紫もこの色じゃないはず。
現実空間の景観を守るための条例が街並みを作って、バーチャルなwebまで影響されるのだから不思議。
カップラーメンの味が関東と関西で違いますが、ご当地の嗜好に合わせて、ゲームのグラフィックの色味なんかも関東と関西で切り替え可能だと受けるかも。
東京の感覚の彩度で色味調整したゲームは、京都の人にはきっとドギツイに違いない。