飛び込みで入った店がとても気に入った。
店の名前は肉割烹おりん。
うちから徒歩7〜8分で目黒通り沿いの目黒消防署の横。
引越す前の家と、引越した後のいまの家との丁度中間地点。
4人掛けのテーブルが3つにカウンターに数人という小体なお店。
前は鯛の鯛(行ったことないけど)という鯛料理専門店の名店があった場所。
駅でいうとJR目黒駅か、東急東横線祐天寺駅か、東横線学芸大学駅か、東急目黒線武蔵小山が最寄りだと思う。
しかしどの駅からも徒歩15〜20分くらいの立地。
いわゆる陸の孤島。
白金や西麻布や三宿など、最寄り駅から遠い陸の孤島にはお忍び系のいい店が多い。
目黒通りはファニチャーストリートとして名を馳せていますが、このところポツポツと食べ物やができてきて嬉しい。
目黒通りを等々力方面へ数百メートル移動すると姉妹店の「かしわ料理と水炊き・朝倉」があり、こちらはお嫁さんにしたいタレントナンバーワンだった人と最近結婚した芸人さんが常連らしく、つい先週も日曜日の昼のテレビ番組でお店が取り上げられていた。
人通りが少ないお忍び感があるので、ほんと、この界隈のお店は芸能関係の人が多いし、特に芸人関係の人が多いのが不思議。
…さて。
前置きが長くなったが手始めのきんぴら。
薄味でシンプルに美味しいが、なにより作り立てなのか温かいのが素晴らしい。
この一品目でいきなり期待値かなりアップ。
ポテトサラダ。
キメが細かく水っぽくないハイレベルなもの。蒸かし方がポイントなのかな?
食材の下ごしらえの包丁さばきが丁寧。
しかもハムの代わりに鳥肉を炒めたモノが入っていて、オリジナリティーもあって旨い。
こちらは薬味の生七味。
葉唐辛子とゴマなどをつけたもの。
なににでもあうし、これが旨くてたまらん。
生七味だけでご飯3杯可能。
出汁トマト。
湯むきしたトマトと出汁のジュレ。
さすが割烹という感じ。
鶏の唐揚げ。
左は醤油味の鶏の唐揚げ。これがホクホク、サクサク、ジューシーでめちゃくちゃ旨い。
右は里芋の唐揚げ。素材の味を前に出すために、こちらは醤油味でないという凝りよう。これまたホクホク、サクサク、ねっとりと旨い。
カレー塩も、いちいち煎ってるのか湿気ゼロのさらさらで素晴らしい。
煮込み味噌味。
全て取り分けて供されるのでこれが半分量。要するに丼サイズのお椀に2杯で1人前。
ほろほろのすじ肉と九条ネギという無敵のタッグ。
これに生七味で優勝。
煮込みというよりも具だくさんのみそ汁という印象だった。
和牛のステーキ。
部位指定も、焼き加減も指定可能。
フライドガーリックの色とサクサク感は完璧。
当然のことお肉は美味しい。
付け合わせのマッシュポテトが空豆入り。ポテトサラダに鳥肉が入っていたり、生七味やジュレという感じで、それも一手間加えてオリジナリティーを出しているのが凄い。
やり過ぎて本質が見えにくくなる様なたし算の仕事はダメだけど、やっぱり一手間加えるというのは大事だ。
料理もエンターテイメントなのでゲーム開発やその他のクリエイティブと同じ。
成立するギリギリまで削ぎ落として、最後に一手間だけ加えるというのが理想ですね。
土鍋で炊くご飯がオススメというので注文してみる。
すると炊き上がるまでの当てとしてお新香が出てきた。
キュウリのぬか漬け。
沢庵。
千枚漬け。
これだけで十分旨いのに、さらにいぶりがっこ(キュウリの奥の黄色いの)まで登場。
あー、旨い。
注文してから10分程度で土鍋ご飯登場。
牛肉とぎんなん、糸みたいに細く切ったゴボウと、針ショウガ。
味付けはギリギリまで薄く、素材の味で食べさせる素朴さ。
5杯くらいは食べられますが、夜の炭水化物は控えているのでお茶わんに軽く1杯でやめておいた。
ヒカルはお代わりしてましたが、それでも余るほどのボリューム。
そしたらお土産として容器に入れて持たせてくれた。
昼の弁当一人分に丁度いい量なので、これからは〆に土鍋ご飯を頼んで、余った分はお持ち帰りにしてもらって、翌日のランチというのがよさそう。
ちなみに赤だしも美味。
出汁が効いてるというよりも、赤だしの味噌の塩気がキリッと立って、そこにナメコのぬるぬるという黄金の組み合わせ。
最初は焼酎の抹茶割りを都度オーダーしていたのですが、自分的にこの店には通うこと確定となったので焼酎をボトルキープ。
黒霧島の芋かキンミヤの麦か迷って、 キンミヤの麦をチョイス。
これがまた旨くてヤバい。
呑んだ後、そのまま徒歩で帰宅できるというのも嬉しい。
お店の人もご近所さんということで、近所のお店の情報交換できたのも楽しかった。
いい店みつけた。