木曜日は定例ミーティングで毎週渋谷へ行っている。
ミーティングで伺う会社から徒歩30秒くらいの場所に「すずらん」があるので、最近また食べる様になったことはこちらに書いた。
そしたらなんと!!
すずらんの並び(渋谷駅から行くと数軒手前。渋谷警察裏)に凪がオープン!!
前にこの場所で営業していたラーメン店が閉店して、新店舗開店準備中に「凪」というポスターが張ってあったので楽しみにしてたんですよねー。
凪といえば新宿ゴールデン街での週一営業で人気を博し、その後に渋谷(並木橋交差点を六本木通り方面に上がった右側)に豚王というとんこつ専門店をオープン。
さらに数店舗展開するにまでに急成長したお店。
新宿で出している新宿煮干を、もっと攻撃力アップ気味にリファインさせたのが渋谷の煮干王だそうだ。
居抜きの営業のため前のお店と店内は同じ。横に10席のカウンターでかなり狭い。
昼を外した時間に行ったら3人並びだったので食べることにしたが、店を出たら10人くらい並んでいたので早くも人気店となっている模様。
男女比も70 : 30くらいで女性にも人気みたい。
メニューは基本的には煮干ラーメンのみ。
煮干ラーメンに、普通、中、大のサイズがあって、あとは特製(焼豚増量、メンマ追加、味玉追加)という構成。
他にライスが50円でセルフサービスで盛り放題。キュウリの漬物がカウンターの上にあって、ライスを注文すると漬物をすすめられる。
外に並んでいるとき「先頭でお待ちの1名様、店内へお入りください!」という声が聞こえた。
店の窓も扉も閉まっているのによく声が聞こえるなと不思議に思ったら、その謎は店内に入って解明された。
カウンターの中に雨どいみたいなパイプがあって、それが潜水艦の命令伝達管みたいな仕組みで店外に繋がっている。
店員が外に出入りするスペースがないので、店の外に並ぶ客とコミュニケーションする苦肉の策なのだろう。
なんたるローテク(^^;
特製煮干ラーメンとライスをオーダー。
味の濃さ、麺の硬さ、脂の量は好みで変えられるが、最初なのですべて普通でお願いした。
麺が極太なので茹で時間がかかる。
10分くらいで提供。(今日はスマホを忘れて家を出たので正確な時間分からず)
店に入ったときから煮干のいい香りがしていたが、ラーメンの丼を前にするとまた一段といい香り。
スープは熱々で、見た目からして濃厚強烈煮干なのが分かる。
もうね、なんていうか、本当に旨い。
いやー、マジで旨い。
旨いけどかなり塩気が強い。
ラーメンだけなら味薄めにした方が無難な気がするが、いい加減に硬く炊かれたご飯と一緒に食べると、この塩気の強さが旨い。
濃厚で強烈で暴力的なほどの煮干と醤油。
大きく切られたネギがいいアクセントになる。
焼豚と煮玉子は上品系の薄味で、これが濃厚強烈暴力的な煮干とのコントラストを強めていて旨い。
メンマも歯ごたえあって旨い。
海苔も旨い。
挽肉はよく分からないけど旨い。
煮干ラーメンといえば、昭和だったり、田舎のローカルフードっぽいですが、いま風にアレンジされていてステキ。
麺はツルツルピカピカで喉越しと歯ごたえ最高。
つまみで提供される”いったんも麺(幅3センチほどの極薄幅広麺)”も少しだけ入っていて、これまた食感と喉越しが最高。
スープまで飲み干す(=完食)すると、丼の底にメッセージが現れる。
ぼくは完食しませんでしたが、隣の人の丼の底には
「我が煮干に一片の悔いなし」
と書かれている様に見えた。
店の外に飾られた提灯にも同じ言葉があったので、きっとこのお店のスローガンなんでしょうね。
煮干王ってことでラオウの言葉ってことだろうな。
完食すると「スープまで飲み干して頂いてありがとうございます」と、店員が嬉しそうにひと言添えてくれる。
食べ物を残すのはよくないこと。
本来はラーメンのスープだって飲み干すのがお店へのマナーであり、食材となってくれた命への感謝だと思うが、どうにも自分の腹具合や健康やダイエットを優先するのが当然という風潮になっているのはよろしくない。
残して捨てて当然とか、そこに痛みを感じないのは感覚が麻痺しすぎ。
…とはいえ、ぼくも完食してない自己矛盾。
店の排気ダクトがビルの屋上まで延びていた。史上稀に見るロングダクト。
近隣住民から 「煮干臭い」というクレームが入らない様に気を使ったのだと思う。
友人のゲームプロデューサー兼グルメレポーターのRちゃんは「じゃんがら」の濃いとんこつが大好き。
それでたまにじゃんがらへ行くのだけど、ある日すっかり味が変わってスープが薄くなり独特の豚骨臭も消えていたそうだ。
あまりに残念なのでお店の人に訊いたら、近隣住民から豚骨臭いとクレームが入ったので、あまり煮込まない様に調理方法を変えたらしい。
最初からこれだけロングダクトってのは先見の明がある。
あまり人気店にならないで欲しいなー。
混雑タイムを外しても3人以上待ちとなるとつらい。
ご馳走さまでした。