ピクチャ 5.jpg

 昨夜は久しぶりに家で芋焼酎をガブ呑みして早目に半身浴して寝た。

 寝ているときに地震があったが、なにせ半身浴して身体が緩んでるものだから眠りが深く怠くて起きられない。

 夢現つの中で

「あー。地震だ。結構大きいぞ。でも緊急地震速報が聞こえないからそんなに大きくないんだろうな…。どこが震源地なんだろう? 震源地近くはけっこう揺れてるのかも…。起きてニュースをチェックしないと…。でも怠くて眠くて起きられないからまぁいいや…」

 とか考えていた。

 …というか、考えていた気がするが、要するに寝てたから分からん。

 車で移動時にはほぼ必ずラジオを聴いている。さらにほぼ99%でJ-WAVEを聴いているわけですが、大分前から緊急地震速報を取り入れるという告知CMが流れていた。放送中に突然に「ピー、ピラピラピラ、ピー」という、昔にモデムでパソコン通信するときみたいな音がするそうだ。

 詳細を覚えてないので適当な知識で書き続けると、地震前微動のP波を観測して震度5以上になりそうなときにこの緊急放送が流れるとのこと。

「ピー、ピラピラピラ、ピー」が聞こえてから数秒以内に激しい揺れが来るから、車を運転している場合は慌てずに、速やかに車を道路脇に停めるのが正しい対応だそうだ。

 震源地からの距離によって揺れの到達までの時間が違うので「ピー、ピラピラピラ、ピー」から何秒後に大きな揺れが来るのかは分からないらしい。

 さらにいい加減な知識で書き続けると、確か緊急地震速報のシステムが本格稼働したのはこの4月から。

 その前から試験運用していたが、ボクの記憶が正しければ、ちゃんとこのシステムが稼働して、本震の大きな揺れの数秒前に緊急地震速報が流れたことは今のところない。

 昨夜の地震でも緊急地震速報は間に合わなかったそうだ。

 現状ではそんな不完全なシステムなので緊急地震速報が日常に入り込んではいないが、このシステムがちゃんと稼働して、激しい揺れが来る数秒前に「ピー、ピラピラピラ、ピー」と放送を流し、それによって震度5以上の揺れが来る数秒前に心の準備をすることができるのが日常的になったとしよう。

 それはテクノロジーが日常の安全をバックアップする素晴らしい未来だという気がする。

 しかし逆に不安にも思う。

 緊急地震速報が天気予報レベルで生活に根付いた、そう遠くない未来のある日。

 そんなときに軽い揺れが来る。

 すると人は条件反射的に「ピー、ピラピラピラ、ピー」が聞こえるかどうかに耳を澄ますだろう。

 でも緊急地震速報は聞こえない。

 すると人は「緊急地震速報が流れないから大したことないな」と判断する。

 しかしたまたまシステムが落ちているだけだったら?

「緊急地震速報が聞こえないから大丈夫」と安心し切っている人を震度5以上の激しい揺れが襲ったとしたら、それは緊急地震速報システムが稼働する前の、揺れに対して誰も安心しない時代よりも危険度が増している気がする。

 完全なシステムなんてありえないので、緊急地震速報が広く認知された後にちゃんと作動しなかったときが危ないと思う。

 しかしどーせ不完全なシステムなら、ヤバくないときに速報が流れてしまったり、ヤバそうな時に速報が流れなかったりしている現状程度がベストなのかも知れない。

 人が生み出すシステムを過信してはいけない。

 今回の地震で緊急地震速報が鳴ったのは揺れの58秒後だったそうだ。揺れてから1分後に揺れてますよと言われても、ね。

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