昼の散歩が早い時間だったせいか、タオに催促されて夜の散歩に行ってきた。
そしたら玄関に三輪車が乗り捨ててあった。
◇
ヒカルがGRD2をなくしてしまったとき、購入店に問い合わせてみると壊れた場合しか保険は適用されないと言われた。
しかし数日後に、カード購入したのならカードの保険が効くということをある人から教えてもらった。
それでカード会社に電話したらなんとかプロテクションという制度があるということで、壊れた場合でなくても盗難だったら大丈夫とのこと。そのまま保険会社に電話を回してもらった。
保険会社が言うには免責の1万円を払えば購入金額を保証してくれるそうだ。しかしそれには警察で盗難届を出す必要がある。
実際はゴミ置き場に置きわすれてしまったので盗難とは言い難いが、置いてあるものを誰かが持ち去ったのだから盗難とも言える。
うやむやな気分のまま警察に行ってみると、なんだかよく分からないとてもグレーな説明を聞かされた。
元来が警察嫌いなので派出所に長居するのも嫌になってすぐに諦めてしまったが、そのまま粘れば盗難届を受理された可能性が高いと教えてもらった。
◇
どこかにモノを置き忘れて、すぐに戻ったのになかったら盗難。
目の前で誰かが持ち去っても盗難。
しかししばらく経ってから置き忘れた場所に戻って、そこに置き忘れたモノがなかった場合は遺失。
「すぐってのはどれくらいですか?」
と警官に聞いたら
「すぐってのはすぐだよ」
と言われたので
「10分はすぐですかね?」
と聞き直してみたら
「10分は微妙だなー。すぐとも言えるし、すぐじゃないとも言える…」
みないな説明だった。
◇
後から別の人に聞いた話しでは、例えば電話ボックスに財布を置き忘れたとしよう。
すぐに気付いて戻って、財布があったら問題なし。あーよかった。
しかし財布はあったけど、中味の現金やカードが盗られていたら盗難。
財布はなかったけど、近くのゴミ箱に財布が捨てられていて、現金やカードが抜かれていたら、これも盗難。
置き忘れたときに酔っぱらっていて、翌日に気付いて電話ボックスに行ったら財布も中味もなかった。これはほぼ遺失。
◇
正直に状況を伝えたら、保険会社の人も親切に「それはうちで保証できるケースだと思うので、警察で盗難届を出してください」と言ってくれた。
しかし
「すぐに戻ったけど置き忘れたのは事実なんで、心の底から盗難だとは言い難い」
と説明したら
「遺失届は書類を書くだけですが、盗難届は刑事事件扱いだから調書を取ったりで手間がかかる。だから警察も盗難扱いにするのを嫌がる傾向にあるんですよ。昼休み終わりの空いた時間に、派出所じゃなくて近所の警察署に行った方がすんなり盗難届を書いてくれますよ」
と裏情報まで教えてくれた(^^;
でもそんなグレーゾーンギリギリの奥の手を使って保証されてカメラを買い直すことができても、そのカメラで撮った写真には心の曇りが写る気がした。
だからボクは
「心に何の曇りもなければ保証してもらいますが、多少の曇りがあるので盗難申請と保証してもらうことは辞退します。心の曇りが写真に出るのも嫌ですから」
と、保険会社の親切なオジサン(担当の女性の判断外のケースだったらしく上司と電話が繋がっていた)に伝えて電話を切ろうとした。
そしたらそのオジサンは
「そういうことを保証するのが私たちの仕事なんですが、お客様が辞退するならそれは了承いたします。しかし次に何かトラブルがあったときには、直接私に電話をください。すぐに対応させていただきますから」
と言って、直通の電話番号と名前を教えてくれた。
心の曇りの件はスルーされてしまったが、この保険会社が好きになった。
◇
…と、そこで玄関前に乗り捨てられた三輪車である。
これは乗り捨てられているのか?
置き忘れなのか?
これが盗られてすぐに気付いたら盗難なのか?
すぐじゃなくて明日の朝に気付いたら遺失なのか?
◇
98%くらいの確率で
「タオちゃーーん」
と言ってタオの側に来てはタオに吠えられている、うちの大家さんの子供の三輪車だと思う。
だから盗る気はしない。彼を悲しませたいとは思わないから。
だいたい40歳の初老(中年・不惑・女子高生おじさん)が三輪車を盗んで乗り回していたらすぐに捕まる。
いや、逆に捕まらないのかも…。
◇
盗られたら可哀想だから玄関の中に入れといて上げようかと思ったが、その瞬間を見られると窃盗現場っぽいのでやめた。
インターフォンを鳴らして
「三輪車が外に出しっ放しになってますよ」
と伝えようかとも思ったが、それも出過ぎた感じなのでやめた。
だいたいこのあたりは大使館があって治安がいいから、車の鍵を掛け忘れたまま車の中に財布を置き忘れても盗られないし、鍵を掛けずにチャリを置いといても盗られない。
だからきっと大丈夫。
◇
最近気になるのは、保証を断って自腹で買い直したGRD2で撮った写真に、心の曇りは写っていないのだろうか?
写っているとしたらレンズの曇りですね(^^;